「想定外」の教訓

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7年前の3月11日、東京ビッグサイトで開催されていたセキュリティショウを見学中に地震が発生した。
館内放送で「震源は宮城県沖…」との事だったので、30年周期で発生している地震と思ったものの、その後の津波の映像で巨大地震と判った。
阪神淡路大震災では都市を襲う直下型地震の凄さを見せつけられたが、東北地方太平洋沖地震は海溝型巨大地震の凄まじさを見せつけた。
城壁のような堤防も飲み込まれ、それまでの防災の取り組みを次々と凌駕して大きな被害をもたらした。

ハード面だけでは防げない想定外の連続であったが、「釜石の奇跡」と呼ばれた防災教育と地域連携による事例もあった。
当時群馬大学の片田先生の指導により「率先避難者たれ、最善を尽くせ」を軸とした平素の訓練により、津波襲来前に多くの子供たちが避難した事例はソフト対策の重要性を示している。
一方、建物屋上に避難して津波にのまれた企業や自治体もあり「想定外」への対応の難しさを我々に残してくれた。

堤防などのハードも、津波高や速度、破壊力の軽減に役立っており、普代村のように津波を食い止めた事例もあった。
しかし、ハードの想定を超えてしまうと大きな被害は免れないことを示している。
もはや、我々の想像や想定の範囲で地震や津波あるいは火山噴火が留まってくれると思う方が、自然に対し不遜なのではないだろうか。

訓練や対策を行うためには「想定」は必要だが、常にそれを超えられてしまうことも考えておかなくてはならない。
社会資本として相当の投資を行ってる太平洋側の都市部について、最悪想定での移転を行う事は難しい状況にある。
また、超高層が次々と建てられている東京は一極集中が止まりそうもない。
しかし、南海トラフや首都直下の懸念は随分前から指摘されており、今更「想定外」とは言えない。
災害の記憶がしだいに薄れ、世代交代が進む中でも過去の教訓を生かせるように取り組みを続けることが必要となっている。

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